

あらすじ
ろう者の松橋早友梨さんは、ろう者の夫との間に聴者の娘がいる。ろう者から生まれた聴者の子供はCODA<コーダ>(Child Of Deaf Adult)と言われ、家族全員がろう者だった早友梨さんは、聴者の子供が生まれるとは思っていなかったと言う。
彼女は母親という顔だけでなく、カーリング選手という顔も持っている。2021年秋、同じくろう者の兄と共に、関東ミックスダブルス選手権で準優勝を果たし、全国大会への出場を決めた。日本トップレベルの選手が揃うこの全国大会に、出場したろう者はまだいない。全国大会の後には、デフカーリングの世界大会も控えている。
早友梨さんがカーリングを始めるきっかけになった父がコーチとなり、父と兄と共に、遠征を重ねる忙しい日々を送っている。
遠征の際は、夫が娘の育児を担当する。ろう学校で寮生活をしていた夫は、家事が得意で、早友梨さんの活動に協力的だ。
家族の全面的なバックアップのもと、コロナ禍で先の見えない状況のなかでも、ひたむき練習を続ける早友梨さんだが、そんな彼女に予想外の試練が訪れる。
カーリングと並行して、娘の保育園探しも行っており、無事に春からの入園が決まった。担任の先生も早友梨さんと筆談で応じるなど、サポート体制は万全だ。
そして2022年夏。早友梨さんは、父兄と共に、大会の結果報告に故郷・青森の母校を訪れる。家族のように迎えてくれる恩師たちとの思い出話は尽きない。
彼女は忙しい日々を振り返り、今、何を思うのか。
カーリング選手でもない、母親でもない、ありのままの彼女の笑顔がそこにはあった。














