アスリートとして、母として-アスリートとして、母として-

DOUBLE ROLEダブルロール

2025.11.7(金)よりキネカ大森ほか全国順次公開2025.11.7(金)よりキネカ大森ほか全国順次公開
デフカーリング選手であり、コーダ(ろう者から生まれた聴者の子)の娘を持つ松橋早友梨選手の1年を追ったドキュメンタリーデフカーリング選手であり、コーダ(ろう者から生まれた聴者の子)の娘を持つ松橋早友梨選手の1年を追ったドキュメンタリー
松橋早友梨 松橋要 荒谷淳一 荒谷飛翔
横山結 那須映里 小川佳代
協力 カーリング協会 社会福祉法人大龍会 大和南保育園
青森県立青森聾学校 青森県立八戸聾学校
監督・編集 川西薫 企画・プロデューサー 池田めぐみ
撮影 岬 康晟 黒柳雄太 制作 合同会社オフィスエーオー
製作 株式会社Dream Ship
後援 一般社団法人よこはまクリエィティブ財団
配給:アルファヴィル
2022/日本/カラー/ビスタサイズ/ステレオ/43分
©Double Role製作委員会

予告動画

解説

ろう者でありカーリング選手でもある松橋早友梨選手を1年追ったドキュメンタリー。彼女は、同じくろう者の兄と共に地方大会を勝ち抜き、ろう者として初めて全国大会への出場が決まり、子育ての傍ら全国各地で練習を重ね、忙しい毎日を送っている。娘が聴者だと知った時の素直な思いや、コロナ禍での思わぬ影響などがあった1年を通じて、「デフカーリング選手」と「母親」という側面からその素顔に迫る。
監督は、数々の映画監督、脚本家を輩出している伊参スタジオ映画祭シナリオ大賞にて、2016 年に「子供は天使ですか」でグランプリを受賞した川西薫。本作で初のドキュメンタリーを手がけ、第 28 回あいち国際女性映画祭で審査員特別賞・観客賞、TAMA NEW WAVE ある視点部門入選など、各地の映画祭で好評を博した。

あらすじ

ろう者の松橋早友梨さんは、ろう者の夫との間に聴者の娘がいる。ろう者から生まれた聴者の子供はCODA<コーダ>(Child Of Deaf Adult)と言われ、家族全員がろう者だった早友梨さんは、聴者の子供が生まれるとは思っていなかったと言う。

彼女は母親という顔だけでなく、カーリング選手という顔も持っている。2021年秋、同じくろう者の兄と共に、関東ミックスダブルス選手権で準優勝を果たし、全国大会への出場を決めた。日本トップレベルの選手が揃うこの全国大会に、出場したろう者はまだいない。全国大会の後には、デフカーリングの世界大会も控えている。
早友梨さんがカーリングを始めるきっかけになった父がコーチとなり、父と兄と共に、遠征を重ねる忙しい日々を送っている。
遠征の際は、夫が娘の育児を担当する。ろう学校で寮生活をしていた夫は、家事が得意で、早友梨さんの活動に協力的だ。
家族の全面的なバックアップのもと、コロナ禍で先の見えない状況のなかでも、ひたむき練習を続ける早友梨さんだが、そんな彼女に予想外の試練が訪れる。

カーリングと並行して、娘の保育園探しも行っており、無事に春からの入園が決まった。担任の先生も早友梨さんと筆談で応じるなど、サポート体制は万全だ。

そして2022年夏。早友梨さんは、父兄と共に、大会の結果報告に故郷・青森の母校を訪れる。家族のように迎えてくれる恩師たちとの思い出話は尽きない。
彼女は忙しい日々を振り返り、今、何を思うのか。
カーリング選手でもない、母親でもない、ありのままの彼女の笑顔がそこにはあった。

コメント

  • 2021年の秋から1年間、松橋選手の生活を撮影させて頂きました。ろう文化もカーリングも自分にとっては未知な世界でしたが、自分が何も知らないということを自覚する怖さ、知らない世界を知る面白さ、その両方の経験ができました。観客のみなさんにとっても、そんな経験ができる映画であれば嬉しいです。
    川西薫監督
  • カーリングに子育てにとパワフルな毎日を送る松橋早友梨さんはとてもチャーミングで魅力的!カーリングも生活も、私たちのそれと全然違うようで全然違わない。少しの工夫が必要なだけだ。その工夫を知れればきっといい。世界がよりよく回るために必要なものが、この作品には詰まっている。
    村上かのん
    脚本家
  • 「夫も私もろう者だから、娘は本当はろう者が良かった」という言葉に、自分の中の“当たり前”が揺れ、強く印象に残っています。
    続く「生まれてきてくれたことが嬉しい」という言葉の通り、やさしい家族の時間が流れています。
    『Double Role』には、自分の知らなかった世界に触れ、心を広げてくれる瞬間がたくさんありました。
    日下玉巳
    映画監督/俳優
  • 挑戦するその過程にあるもの、目標を達成したその先にあるもの。
    「お母さんみたいな人になりたいと思ってもらえるようになりたい。」
    簡単ではない道を選び、突き進んでいくことの意義が、松橋さんのその言葉に詰まっていると思います。
    日々越えていくハードルの数や目標とする壁は決して小さくはない中で、選手として、お母さんとして、力強いまなざしと優しい笑顔で日々奮闘されている松橋さんのことをもっともっと応援したくなりました!
    近江谷杏菜
    フォルティウス
  • カーリングは仲間とのコミュニケーションがとても大切な競技であり、その難しさを私自身もまた強く感じています。松橋さんが聴者と共にプレーし、新しい学びを得ながら世界を目指す姿には心を揺さぶられました。母として子に向き合いながら挑戦を続ける姿は、家族の絆がアスリートを支える大きな力になることを改めて感じさせてくれます。まだ広く知られていないデフカーリングの魅力にも触れられる貴重な作品です。
    山口剛史
    SC軽井沢クラブ
  • 松橋早友梨さんの生き生きとした笑顔が印象的です。選手の顔、母の顔、妻の顔、妹の顔、その豊かな表情には、人が生きていく上で遭遇する悲しみ、喜びをありのまま受け入れた人が持つ強さを感じさせます。
    TAMA NEW WAVE上映時実行委員コメント
  • なんてチャーミングな人(&ファミリー)だろう! そして、このバイタリティーはどこから来る!? 観ながら自然とニコニコしてしまうように、恐るべきポジティブなオーラを放っている。デフカーリング選手・松橋早友梨を追った本作は、彼女とその家族の奮闘や心の内へと率直に真っ直ぐに迫っていく。CODAである娘が誕生した時の正直な気持ち、練習や試合で世界を飛び回る様子、その間は子育てを請け負う夫との関係性など、いろんなところで驚き、そして感嘆! うだうだといつまでも変われない日本の中で、この家族の形や姿勢や感性って、予期せず自然体のまま最先端を行ってるのでは!? 聴者として無自覚の無知を痛感しつつ、どこか目が覚め、色んな側面で未来に希望が差し込むのを感じさせてくれるドキュメンタリーだ。
    折田千鶴子
    映画ライター/評論家

キャスト

  • 松橋 早友梨

    松橋 早友梨
    (マツハシ サユリ)

    ⽣年⽉⽇:1995年1⽉12⽇(30歳)
    出⾝地 :⻘森県東北町
    居住地 :東京都東⼤和市
    所属 :日本ろう者スキー協会カーリングチーム
    ※2020年11月長女誕生
    2025年2月長男誕生
    カーリングはお父さんの影響で兄と中1の冬に始まる。
    カーリングを始めて1年後に初心者向けの大会「東奥日報杯」に初出場で初優勝。
    よって、カーリングを本気で始めた。
    2021年 関東MDカーリング選手権 準優勝
    2022年 第4回世界ろう者カーリング選手権大会 ミックスダブルス 準優勝
    2023年 第20回冬季デフリンピックinトルコ カーリングミックスダブルス 第3位
  • 松橋要

    松橋 要
    (マツハシ カナメ)

  • 荒谷 飛翔

    荒谷 飛翔
    (アラヤ ヒショウ)

    ⽣年⽉⽇:1992年4⽉30⽇(33歳)
    出⾝地 :⻘森県東北町
    居住地 :愛知県岡崎市
    所属 :日本ろう者スキー協会カーリングチーム
    2021年 関東MDカーリング選手権大会 準優勝
    2022年 第4回世界ろう者カーリング選手権大会 ミックスダブルス 準優勝
    2023年 第20回冬季デフリンピックinトルコ カーリングミックスダブルス 第3位
    2025年 第5回世界ろう者カーリング選手権大会 男子チーム 第3位
  • 荒谷 淳一

    荒谷 淳一
    (アラヤ ジュンイチ)

    ⽣年⽉⽇:1955年2⽉18⽇(70歳)
    出⾝地 :⻘森県東北町
    居住地 :青森県東北町
    所属 :日本ろう者スキー協会カーリングチーム
    2025年 第5回世界ろう者カーリング選手権大会 男子チーム 第3位

スタッフ

  • 川西薫

    監督
    川西 薫

    静岡市生まれ。東京工芸大学芸術学部映像学科卒。卒業後は映像編集業やプロットライター、シナリオライターとしてドラマや映画の企画に参加。伊参スタジオ映画祭シナリオ大賞を受賞した『子供は天使ですか』(2017)で監督、脚本をつとめる。国内の映画祭でグランプリを含む複数の賞を受賞。『Double Role ダブルロール』でドキュメンタリーを初監督。第1回横浜国際映画祭でワールド・プレミア後、あいち国際女性映画祭審査委員特別賞、観客賞を受賞。その他、TAMA NEW WAVEある視点部門入選、東京ドキュメンタリー映画祭短編部門入選など。現在、長編ドキュメンタリー映画を製作中。
  • プロデューサー
    池田 めぐみ

    2018年、全編手話映画「明日のきみへ〜幸せのスケジュールより〜」(立川晋輔監督)をプロデュース。
    ラジオ、新聞等に取り上げられ、約2年に渡り様々な土地で手話ライブと共に上映会を開催。

    2020年〜ドキュメンタリー映画「Double Role ダブルロール」(川西薫監督)を企画プロデュース。
    第1回横浜国際映画祭でワールド・プレミア後、あいち国際女性映画祭審査委員特別賞、観客賞を受賞。TAMA NEW WAVEある視点部門入選、東京ドキュメンタリー映画祭短編部門入選等

    2025年、映画「なっちゃん、オールアップです!」(早樋哲監督)を企画プロデュース。
    第3回横浜国際映画祭でワールド・プレミア上映

    映像制作会社(株)Dream Ship 取締役
    ※(株)Dream Shipは、役者さん達へ作品作りの場を提供している。

劇場情報

2025年11月8日現在
地域 劇場 電話 公開日
東京 キネカ大森 03-3762-6000 11月7日(金)〜
キネカ大森:11/8(土)舞台挨拶(予定)松橋早友梨、川西薫監督
長野 上田映劇 0268-22-0269 11月24日(月•祝)〜
11月24日(月•祝)〜27日(木)*11/25休館
大阪 扇町キネマ 06-6766-4166 11月22日(土)〜24(月•祝)
山口 山口情報芸術センター 0839-01-2211 12月10日(水)〜26日(金)
鹿児島 ガーデンズシネマ 099-222-8746 11月7日(金)〜13日(木)